英語のアウトプットって難しいですよね。
日本に居ると、なかなかアウトプットの機会がないので、「いざアウトプットしようとしたときに言葉が出てこない」ということが起こりがちです。
わたしも日本で英語を学ぶ身として、ペラペラしゃべりたいのに「現実はなかなか言葉が出てこない」というもどかしさを感じた経験は数知れず。
でも、実際に「英語がペラペラ」になるためには地道なトレーニングが必要ですが、一方で、ちょっとしたコツを意識することで「英語ペラペラ感」をアップさせることも可能です。
そこで、今回は、「英語ペラペラ感」をアップさせるために比較的すぐに使えるポイントと、実際にペラペラになるためにおすすめしたい練習方法をあわせてご紹介したいと思います。
この記事はこんな方におすすめ:
- 手っ取り早く英語ペラペラ感を出したい!
- 英語ペラペラを目指すために普段どんな練習をしたらいいの?
こんな人が書いてます
ルー
- 英語好きが高じて、留学なしで高校で英検1級を取得
- 英語で仕事して10年以上
目次
英語ペラペラ感を出す方法
まずは、英語ペラペラ感を出すためのコツをご紹介していきますが、その前に、「英語がペラペラ」という状態は、具体的にはどのような状態なのかを、少し分解して考えてみましょう。
英語がペラペラってどんな状態?
まず、誰かが英語をしゃべっているときに、どんな状態だと「英語がペラペラ」だという印象を持つでしょうか。
わたしが考える条件は以下のとおりです。
- 1: スムーズにコミュニケーションが取れている
- 2: しゃべる時間が長く、言葉につまる時間が短い
- 3: しゃべり方がネイティブっぽい
「ペラペラ」にもいろんなレベルがあるとは思いますが、だたい上記ポイントが満たされていれば、「結構しゃべれるな」という印象になるのではないでしょうか。
そこで、今回は、この3つのポイントに沿って、それぞれのポイントに具体的にアプローチして「ペラペラ感」を出す方法を紹介していきます。
1: スムーズにコミュニケーションが取れている感じを出す
まずは、「スムーズにコミュニケーションが取れている」という感じを出す方法です。
スムーズにコミュニケーションが取れるという状態は、具体的には以下の2点が満たされている状態です。
①聴いたことを即座に理解し、
②会話の流れに沿った言葉を返せる
このうち、「聴いたことを即座に理解」するために必要な「リスニング力」を鍛えるには、英語を耳からインプットする時間を日頃から確保するのが一番の方法ですので、その根本的な練習方法には、ここでは触れません。
ルー
なお、「実際にリスニング力を鍛えるためにはどんなことをすればいいの?」という方は、こちらの記事で、具体的な方法をご紹介していますので、ぜひチェックしてみてくださいね!
【英語のリスニングができない!】理由4つと弱点克服ロードマップ
スムーズにコミュニケーションがとれている感じを出すための具体的な方法は、以下の3つです。
- 1-1: 相槌をしっかり打つ
- 1-2: わからなかった箇所を聞き返すためのフレーズをストックしておく
- 1-3: 発言するときの「しゃべり出し」のフレーズのレパートリーを持つ
順番にご説明していきます。
1-1: 相槌をしっかり打つ
まずは、相槌をしっかり打って、会話の内容を理解しているサインを意識的に出すようにしましょう。
「理解してるな」ということが相手に伝わる状態にすることは、スムーズなコミュニケーションの第一歩です。
会話の内容を理解していることがわかりやすいように、うなずきながら、要所要所で「相槌を打つ」などをするようにしましょう。
ルー
- Right. / That’s right.(そうですね)
- Exactly.(そのとおりです)
- I see.(なるほど)
- Um-hum.(ええ)
- Hmm… (なるほど)
- Got it. (わかりました)
- Understood.(わかりました)
- Yeah.(そうですね)
- Okay.(なるほど)
- I know.(そうですよね)
- I guess.(そうなんでしょうね)
- Sure.(もちろんです)
- You could say that.(まあそうですね)
- That’s true.(そうですね)
なお、相槌については、以下記事でも各種ご紹介しています。
英会話をスムーズにする相槌の打ち方10種類と学習方法を紹介
また、相槌にバリエーションをつけたい場合は、副詞を使う方法についても以下記事でご紹介していますのでチェックしてみてください。
【英会話をランクアップ】返事やあいづちに使いやすい英語の副詞一覧
1-2: わからなかった箇所を聞き返すフレーズをストックしておく
次に、そうはいっても相手の言葉が聴き取れない・意味がいまいちつかめないという場合もあると思うので、そのときに自然に聞き返せるように、あらかじめフレーズをストックしておきましょう。
聞き返すときに、日本人的な謙虚さで「リスニング力がないものですみません…」みたいにへりくだる方がいますが、それは特に必要はありません。
コミュニケーションで相手に聞き返すのは、ネイティブでも普通にやりますので、それと同じ感覚で、自然に聞き返しましょう。
フレーズをあらかじめストックして練習しておけば、スムーズに聞き返せるので、会話の流れを不自然に止めることなくコミュニケーションを続けられると思います。
- I’m sorry, I couldn’t (quite) catch that. Could you please say that again?
ごめんなさい、(ちょっと)聴き取れなかったんですが、もう一回お願いできますか? - I’m sorry, what was that?
すみません、今なんていいました? - I’m afraid I’m unfamiliar with the term. Could you please rephrase that for me? / Could you reword that?
申し訳ないんですがその言葉をよく知らないので、違う言葉に言い換えていただけますか? - Sorry, I’m not sure if I understand (correctly). Could you explain that again? / Could you elaborate on that a little bit?
すみません、(正しく)理解できているかわからないので、もう一度説明いただけますか?/もう少しだけ詳しく説明いただけますか?
1-3: 発言するときの「しゃべり出し」のフレーズのレパートリーを持つ
三つめのポイントが、「相手の言葉や、会話の流れを踏まえて発言している」ことがわかりやすくなるような、「しゃべり出し」のフレーズとして、いくつかレパートリーを持っておくことです。
このような「しゃべり出し」のフレーズを使うと、「話題に沿って会話できている」という感じがしますし、しゃべり出しがスムーズになるので流暢な印象にもなって、一石二鳥です。
- Speaking of that / Speaking of which…
そういえば、その件については….
例文:Speaking of that, I’ve read the original novel.
(そういえば、原作の小説を読んだことがあります。) - Come to think of it…
考えてみれば…
例文:Come to think of it, I rarely watch TV at home.
(考えてみれば、家ではほぼテレビみないですね。) - Now that you mention it…
そう言われてみれば…
例文:Now that you mention it, I do remember how hard it was.
(そう言われてみれば、確かにすごく大変だったのを思いだしました。) - When it comes to…
〜については、〜の話になると、
例文:When it comes to politics, I’m not the right person to ask.
(政治の話は、わたしには訊かないほうがいいですよ。) - In terms of…
〜については、
例文:In terms of what he wants, I’m not quite sure.
(彼がどうしたいかというのは、よくわかりませんね。) - Regarding …
〜については、
例文:Regarding the movie, I have some questions.
(その映画について、いくつか質問があります。) - I think that…
わたしが思うには…
That’s a good question.
なかなかむずかしい質問ですね。
ルー
Well, I’m not sure how to answer that, but… / Well, it’s hard to say, but…
ええと、どう答えればいいかなという感じですが… / 答えるのが難しいですが…
Hmm…, let me think.
うーん、そうですね。
2: しゃべる時間を長く、言葉につまる時間を短くする
次に、「しゃべっている時間が長く、言葉につまって考えている時間が短い」感じを出すためのアプローチをご紹介します。
具体的には以下の3つになります。
- 2-1: 短い簡潔な文章を連発する
- 2-2: S(主語)やC(補語)を長くしてみる
- 2-3: つなぎ言葉を活用する
順番にご説明していきます。
2-1: 短い簡潔な文章を連発する
一つめは、一つの長い文章で表現しようとするのではなく、「短い文章を何個か重ねて」表現する方法です。
これは、わたしもありがちなんですが、「ちゃんとした英語をしゃべろう」としすぎると、頭の中で考えてしまってアウトプットに時間がかかったり、逆に英語がぎこちなくなることがあるんですよね。
ルー
これに関して、実際に英会話スクールのネイティブ講師から指摘されたのが、英語は無理に長い英文にする必要はなく、「短いシンプルな文章を、バン!バン!バン!みたいな感じでしゃべればOK」ということです。
考えてみれば、確かに、特にアメリカ英語はネイティブのしゃべり方もそんな感じで、わりと短めの文を連発すると意外と英語らしく聞こえたりするんですよね。
ルー
また、特にオーラルコミュニケーションの場合、短い文章から構成されている方が聴く側もわかりやすいことが多いです。
イメージとしては、簡単な単語を使った、S(主語) + V(動詞)を軸にした短い文章を基本単位として、それを複数個しゃべることで言いたいことを表現するというイメージで、具体的には以下のような感じです。
I went to a place last night to have dinner with my family, but I couldn’t decide what I wanted, because they had so many dishes on the menu.
ルー
I ate out last night.
I was with my family.
But I couldn’t decide what I wanted.
They had so many dishes on the menu.
ルー
また、単語が出てこずに、英語でなんと表現していいかわからない場合は、頑張ってその単語を思い出そうとするよりも、自分が使える簡単な単語だけで説明するようにしましょう。
ルー
たとえば、重いものを持ったりして腕が圧迫されて「鬱血する」という表現が思いつかない!というときは、「blood couldn’t flow smoothly」とか「blood flow was blocked」など、知っている単語でなんとか説明するという方法をとります。
なお、簡単な言葉で言い換えるのに慣れたいという場合は、学習者用の英英辞典を普段の学習に使うのもおすすめです。
【英英辞典のメリットと使い方】学習者向け英英辞典6冊の特徴も紹介
学習者用の英英辞典は基本英単語3,000語程度だけで定義が書かれているので、意味を調べて定義を読むことで、簡単な言葉に言い換えて説明することに慣れやすいツールになっています。
2-2: S(主語)やC(補語)を長くしてみる
二つめの方法が、主語(Subject)や補語(Complement)などを長めに作る方法です。
具体的には、「What」や「Something」「Why」「When」などをS(主語)やC(補語)などの頭に持ってきて、その中でまたS+V+O+Cなどの文章を作る方法です。
たとえば、「What I didn’t know at the time was…(そのときわたしが知らなかったことは…)」という主語の中には、Iという主語(S)とknowという動詞(V)が入って一つの文章みたいになっていますよね。
なお「SVOCはよくわからない」という方は、こちらの記事で、押さえておきたい基本的な文法として概要をご説明していますのでチェックしてみてください。
【英語の文法はどうやって勉強する?】おすすめな学習法とサイトを紹介
これは、先ほどの「短い文章を連発する」というのとはまた逆のアプローチで、フレーズ自体を長くすることによってペラペラ感を出す方法になります。
ただし、この場合、一番外側の構文自体は「A is B」のような、「S(主語)+ V(動詞)+ C(補語)」という 単純な構文なので、長いフレーズでも作りやすいんですね。
ルー
以下例文です。
That’s something I can never figure out
(それは、絶対にわたしには理解できないことです。)
What’s important is what you envision, not what you do.
(大切なのは、何を思い描くかであって、実際に何をするかではない。)
What I find interesting when traveling abroad is why some non-native speakers can speak such a good English.
(海外旅行してて興味深いなと思うのが、なんで母国語じゃないのにとてもうまく英語をしゃべれる人がいるのかということです。)
2-3: つなぎ言葉を活用する
三つめが、つなぎ言葉を活用することです。
・So…(ですので…)
・And (, uh)…(それで…)
・But (, uh)… (〜ですが…)
・I mean…(つまり…)
・That is…(つまり…)
・or something like that…(…みたいな感じです)
・you know…(〜ね / ええと)
のような、軽めの便利なつなぎ言葉を使うと、沈黙を埋められるので、「言葉が出てこない感」がやわらぎます。
ルー
なお、「他にどんなつなぎ言葉があるの?」という方は、アウトプットのときに便利なつなぎ言葉については、こちらでリストにしていますので、ぜひあわせてチェックしてみてくださいね!
【230個以上を一挙紹介】便利な英語のつなぎ言葉とフレーズ一覧
3: しゃべり方をネイティブっぽくする
最後に、しゃべり方をネイティブっぽくするためのアプローチをご説明します。
実際の英語のスキルがどうであれ、ペラペラ感をうまく出せている人を見ているとしゃべり方がネイティブっぽい場合が多いです。
具体的には、以下のポイントを意識できると、ネイティブっぽさがアップすると思います。
- 3-1:イントネーションと強弱をしっかりつける
- 3-2: 副詞を意識的に使う
順番にご説明します。
3-1:イントネーションと強弱をしっかりつける
ネイティブのしゃべり方とそいて一番特徴的で、かつ一番マネしやすいのが、イントネーション(音の高低の差)と音の強弱の差をしっかりつけることです。
ちなみに、わたしは「英語力全般をレベルアップするために発音にはこだわった方がいい」と思っているタイプなのですが、実践的な会話のときは、細かい発音を気にしすぎる必要はなく、「通じやすい」しゃべり方ができればいいと思います。
そして、その「通じやすさ」に大きく影響するのが、イントネーションと強弱がしっかりつけられているかという点になります。
会話をするときは、しっかりとイントネーション(音の高低の差)と音の強弱の差をつけることを特に意識してみてください。
なお、ネイティブっぽいイントネーションや強弱を真似するときのお手本としておすすめなのは、ネイティブのリアルな英語が聴けるリスニング教材です。
具体的な教材についてはこちらの記事で説明していますので、ぜひあわせてチェックしてみてくださいね!
【楽しく英語のリスニング力をアップ!】おすすめ教材を一挙紹介
3-2: 副詞を意識的に使う
ネイティブっぽさを出す二つめの方法が、副詞を積極的に使うことです。
一般的に、副詞が使えていると、英語の運用能力が高い印象になりやすいんですよね。
たとえば、
「I went there last night.(昨日の夜そこに行きました)」という場合と、
「I actually went there last night.(昨夜、実際そこに行ったんですよ)」という場合では、
後者には副詞が入っているという違いしかないのに、後者の方が流暢な感じがしますよね。
このように、副詞を意識して積極的に使っていくことで、流暢な印象になり、実際に表現の幅も広げることができます。
なお、「副詞って何?」という方は、こちらの記事で、副詞を使ったアウトプットの練習方法と一緒にご説明していますので、あわせて読んでみてくださいね。
【英語の副詞の使い方】アウトプットで副詞を使いこなすための練習法3つ
具体的なアウトプットの練習方法
さて、最後に、「具体的に日頃どんなトレーニングをすればいいか」というお話ですが、わたしがおすすめしたいのは、以下の3つです。
(1) シャドーイング
(2) 英語で独り言をつぶやく
(3) 定期的な英会話スクールの利用
アウトプットのしやすさには、口の筋肉などの身体的な慣れの要素もかかわってくるので、ある程度、練習量も必要になります。
ルー
実践的な会話の練習をするには、やはり英会話スクールを活用することがおすすめです。
とはいえ、英会話スクールだけの場合、週に数十分から数時間の決まった時間になりますのでアウトプットの絶対量が不足しがちですよね。
ですので、英語で独り言をつぶやく方法とシャドーイングという、一人でできる方法でアウトプットの絶対量を底上げしつつ、定期的に英会話スクールで会話を実践できる機会を設けるという方法がおすすめです。
【シャドーイング】
【英語のシャドーイングのやり方】学習歴20年がレベル別に紹介
【英語で独り言】
【英語のスピーキングを独り言で練習】効果がある理由と詳しいやり方を説明
実践的な会話練習をする場としての英会話スクールについては、比較するときのポイントをこちらの記事でご紹介していますので、ぜひあわせてチェックしてみくださいね!
【英会話スクールを比較するポイント】スクール活用歴20年が紹介
まとめ:ポイントを押さえて英語ペラペラを目指そう!
以上、今回は、「英語ペラペラ感」を出すためのポイントと、実際にペラペラになるために普段おすすめな練習方法をあわせてご紹介しました。
特に、「ペラペラ感」を出すポイントは、英会話や英語面接などの実践の場にも使いやすいと思いますので、ぜひ使ってみてくださいね!
そして、日々のアウトプット練習を重ねて、実際に英語がペラペラにしゃべれる実力を身につけていきましょう!
なお、アウトプット以前の段階へのアプローチとして、そもそも「英語で考える」練習をすることで、ペラペラしゃべりやすくするための下地としての思考回路を作る方法も有効です。
詳しくはこちらでご紹介していますので、ぜひあわせてチェックしてみてくださいね!
【意外な盲点!】スピーキングが上達する裏技は「英語で考える」ことだった
それでは今回はこのあたりで。最後までお読みいただきありがとうございました。