英単語って、聴いたり読んだりしただけだと同じ単語のようでも、実は意味が違うものが多くて紛らわしいですよね。
単語を学ぶときに、このような同音異義語(同じ音で意味の違う言葉)や同綴異義語(同じ綴りで意味が違う言葉)を意識しながら学ぶと、英語を読んだり聞いたりしたときの理解力もアップします。
そこで、今回は、
の3つをご紹介していきたいと思います。
この記事はこんな方におすすめ:
- 英語の同音異義語の例を知りたい
- 意識するためには、普段どんな学習をすればいいの?
こんな人が書いてます
ルー
- 英語好きが高じて、留学なしで高校で英検1級を取得
- 英語で仕事して10年以上
目次
英語の同音異義語・同綴異義語とは
まず、同音異義語・同綴異義語の概要をご説明します。
同音異義語とは
まずは同音異義語(homophones)ですが、これは、音が同じで意味が違う言葉を指します。
たとえば、
- right(右)
- write(書く)
は、音は同じですが意味が違うので、同音異義語です。
同綴異義語(どうてついぎご)とは
一方、同綴異義語(homographs)は同形異義語とも呼ばれ、同じ綴りで意味が違う言葉を言います。
たとえば、
- tear(破る: テァと発音)
tear(涙:ティアと発音) - present(贈り物:reにアクセント)
present(提示する:seにアクセント)
は、同じ綴りですが、意味が違うので同綴異義語になります。
なお、上記の例は母音の発音やアクセントの位置が異なっている例ですが、音がまったく同じもの、つまり同音異義語を兼ねているものもあります。
たとえば、「right(右)」と「right(正しい)」は、音も綴りも一緒で、意味だけが違うので、同音異義語であり、かつ同綴異義語にもなり、英語では「homonym(同音同綴異義語)」といいます。
なお、余談になりますが、同音異義語(homophones)、同綴異義語(homographs)、同音同綴異義語(homonym)の英語には「homo」という言葉が頭についていますが、これは「同じ」という意味の接頭語です。
そして、homophoneのphoneは「音」という意味、homographのgraphは「書かれたもの」、homonymのnymは「名前」や「言葉」という意味になります。
このような接頭語や接辞語などの語源を学ぶのも、語彙力増強には効果的です。接頭語や接尾語については以下の記事でご紹介していますので、ご興味があればチェックしてみてください。
英語の接頭語と接尾語を意識して効率的に語彙を増やそう!
同音異義語(Homophone)・同綴異義語(Homograph)の図解
同音異義語・同綴異義語を図解したものが以下になります。

このように、上記図でいうと、1番と3番が同音異義語、3番と7番が同綴異義語となります。
以上、同音異義語・同形異義語の概要をご説明しました。
同音異義語・同綴異義語の例
次に、イメージがつかみやすいように、同音異義語と同綴異義語の例をご紹介します。
なお、併記している日本語訳は代表的なもののみになります。
1: 同音異義語の例
まずは同音異義語(音が同じで意味が違う言葉)です。
上記図解の1番にあたる部分です。
accept: 受け入れる
except: 〜を除いて
日本語のカタカナ発音だと、「アクセプト」と「エクセプト」というイメージですが、英語では、アクセントのつかない母音(acceptの「a」とexcept の「e」)にはあいまい母音(schwa)が使われるので、同じ音に聞こえるという例です。
ルー
なお、あいまい母音(schwa)については以下の記事でご紹介しています。

affect: 影響する
effect: 効果/(結果などを)生じさせる
addition: 追加
edition: (本・雑誌などの)版
all ready: すべて準備できている
already: すでに
billed: 請求される
build: 建てる
brake: ブレーキ
break: 休憩/壊す
bread: パン
bred: 〜育ちの
ルー
例:She’s a Japanese, born and bred.
(彼女は生まれも育ちも日本だよ。)
buy: 買う
by: 〜によって/〜のそばに
bye: さようなら
cell: 細胞/個室
sell: 売る
cent: セント(硬貨)/100
scent: 香り
sent: 送った/送られる(sendの過去形・過去分詞形)
cereal: 穀草/シリアル
serial: 連続した
complement: 補足するもの
compliment: 褒め言葉
dear: 大切な、かわいい、大切な人
deer: シカ
elicit: (情報などを)引き出す、導き出す
illicit: 違法の
heal: 癒える/癒す
heel: かかと
hear: 聞く
here: ここ
hole: 穴
whole: すべて
knot: 結び目
not: 〜ではない
ルー
know: 知る
no: いいえ/ない
lead: 鉛
led: 導いた/導かれる(leadの過去形・過去分詞形)
mail: 郵便
male: 男性
meat: 肉
meet: 会う
missed: 外した/間違えた
mist: かすみ、もや
none: 何も(いずれも)〜ない
nun: 尼僧
one: 1
won: 勝った(winの過去形・過去分詞形)
peace: 平和
piece: 断片
peak: 頂点/最盛期/最大限に達する
peek: ちらっと見る/ぬすみ見る/のぞき見る
plain: 明白な/質素な/平原
plane: 飛行機
scene: 場面
seen: 見た(seeの過去分詞形)
see: 見る
sea: 海
sole: 唯一の、足ぞこ
soul: 魂
some: いくつかの
sum: 合計
son: 息子
sun: 太陽
stair: 階段
stare: 見つめる
stationary: 動かない/安定した/固定されたもの
stationery: 文房具、事務用品
tail: 尻尾
tale: 話
their: 彼らの
there: そこに
they’re: 彼らは
to: 〜へ
too: 〜も
two: 2
waist: 腰
waste: 無駄、廃棄物/無駄にする
wait: 待つ
weight: 重さ
weak: 弱い
week: 週
your: あなたの
you’re: あなたは
2: 同綴異義語の例
つづいて、同綴異義語(綴りが同じで意味が違う言葉)です。
上記図解の7番にあたる部分になります。
まず、アクセントを置く場所が違う言葉です。
ルー
address(aにアクセント): 住所
address(reにアクセント): 話しかける、対応する
compound(coにアクセント): 屋敷、構内、複合の
compound(poにアクセント): 組み合わせる、構成する、複利計算する
content(coにアクセント): 内容
content(teにアクセント): 満たされている、満足させる
contest(coにアクセント): 競技会(コンテスト)、争い
contest(teにアクセント): 争う、異議を唱える
desert(seにアクセント): 報い、功績、功罪
desert(deにアクセント): 砂漠、荒地
digest(diにアクセント): 要約、ダイジェスト
digest(geにアクセント): (情報や食べ物などを)消化する
minute(miにアクセント): (時間の)分、議事録
minute(nuにアクセント): とても小さい、取るに足らない、ささいな
object(oにアクセント): 物体、目標・目的、目的語、
object(jeにアクセント): 異議を唱える、反対する
proceeds(roにアクセント): 収益、売却代金
proceeds(ceeにアクセント): 進む、始める(proceedの三人称単数現在)
process(roにアクセント): 過程、プロセス
process(ceにアクセント): 処理する、加工する
project(roにアクセント): 計画、プロジェクト
project(jeにアクセント): 投影する、企画する、見積もる
subject(suにアクセント): 主題、主語、主体、被疑者
subject(jeにアクセント): する、支配する、服従させる
ルー
アクセントを置く位置は同じで、母音などの発音が違う言葉です。
advocate(アッヴォカット): 提唱者、弁護士
advocate(アッヴォケィト): 主張する、支持する
bow(ボゥ): 弓
bow(バゥ): お辞儀、お辞儀する
close(クロゥズ): 閉じる、閉める
close(クロゥス): 近い、親しい
lead(リード): 導く
lead(レッド): 鉛
live(リヴ): 住む、生きる
live(ラィヴ): 実況で、実演で
wind(ウィンド): 風、管楽器
wind(ワインド): 曲がりくねる、巻きつける
3: 同音異義語かつ同綴異義語の言葉の例
最後に、綴りと音が両方とも同じで、意味だけが違う言葉の例です。
上記図解の3番にあたる部分になります。
ルー
bat:
・コウモリ
・バット
・バットなどで打つ
bass:
・低音、ベース
・(魚の)バス、スズキ
compact:
・(ファンデーションなどの)コンパクト
・協定
coordinate:
・連携させる、まとめる
・(数学の)座標
degree:
・レベル、程度
・学位
down:
・下の、下に
・鳥の産毛(ダウン)、綿毛
evening:
・夕方
・均等にする
ルー
lie:
・嘘
・横たわる
object:
・目標・目的
・物体
・目的語
produce:
・作る
・生産物
subject:
・話題・議題
・主語
・教科
・被疑者
以上、同音異義語や同形異義語の例をご紹介しました。
英語の同音異義語や同綴異義語を意識するための学習方法
それでは、こういった言葉を意識するための普段の学習方法をご紹介します。
1: 単語は耳から聞いて、自分でも発音して覚える
まず、単語を覚えるときや、新しい単語に出会ったときには、
- オンライン辞書などで耳から発音を聴き、
- 文字を見ながら自分でも発音してみる
ことを意識しましょう。
このときに、「あの言葉と同じ発音だな」などと軽く意識するだけでも違ってきます。
2: 辞書をたくさん引く
また、こうした言葉をピックアップするためには、面倒がらずに辞書をたくさん引くことも大切です。
たとえば、英文を読んだときなどに、「この単語は知っているはずなのに、意味が合わないな?」と違和感を覚えるような場合は、その単語に別の意味があるケースも少なくありません。
都度辞書をひくことで、「こんな意味があったんだ」という新たな発見もあり、単語への理解をより深めることができます。
また、耳で聞いた単語で「知っている単語の意味だと、つじつまが合わないな」というものがあったときには、音をヒントに、知っている単語から同音異義語を検索するものおすすめです。
たとえば、Homophonesというサイトでは、単語を入力して検索することで、同音異義語を探すことができるので便利です。

ルー
3: ダジャレで学ぶ
さらに、英語のダジャレは、言葉遊びの要素が強いので、同音異義語や同綴異義語もたくさん使われています。
こちらの記事で英語のダジャレや、ダジャレを探せるリソースなどをご紹介していますので、楽しく同音異義語や同綴異義語を学んでいきたい!という方は、ぜひチェックしてみてください。
【英語のダジャレはボキャビルにもおすすめ!】例文やリソースを紹介
4: 英語を聴くとき・読むときに文脈を意識する練習をする
最後に、同じ音や綴りであることを知っていても、結局どの意味なのかは、文脈を見なければわかりません。
ですので、英語を聴いたり読んだりするときには、文脈をつかみながら理解するようにしましょう。
文脈をつかむためにおすすめなのは、英語を読んだり聴いたりするときに、日本語に訳さずに、英語のまま、イメージとして理解する練習をすることです。
これにより、英語が頭に入ってきた瞬間にタイムラグなく意味を把握することができるので、どの意味なのかをその場で瞬時に判断できるようになります。
そして、英語を英語のままで直接理解するためには、耳や目で英語に触れるインプットの量を増やすことがおすすめです。
普段の学習におすすめな「耳で聴けて目で文字を読める教材」は、以下の記事でご紹介していますので、ぜひあわせてチェックしてみてください。
【楽しく英語のリスニング力をアップ!】おすすめ教材を一挙紹介
以上、同音異義語や同綴異義語を意識するための学習方法をご紹介しました。
まとめ:英語は同音異義語や同綴異義語を意識しよう!
以上、今回は、同音異義語と同綴異義語について、概要、学習方法、例の3つをご紹介しました。
最後におさらいをしておくと、同音異義語と同綴異義語とはそれぞれ以下のような言葉です。
- 同音異義語:同じ音で意味が違う言葉
- 同綴異義語:同じ綴りで意味が違う言葉
また、これらを意識するためにおすすめな学習方法は以下のとおりです。
- 単語は耳から聞いて、自分でも発音して覚える
- 辞書をたくさん引く
- ダジャレで学ぶ
- 英語を聴くとき・読むときに文脈を意識する練習をする
こうした言葉を普段から意識していくと、英語を聴いたときや読んだときにもスムーズに理解できるようになりますので、ぜひ意識しながら学習を進めてみてくださいね。
それでは今回はこのあたりで。最後までお読みいただきありがとうございました。